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持ってるだけではお金が減る!インフレの仕組み

更新日:2023年5月24日

目次


2023年4月に日銀は植田新総裁に代わりました。そしてこれまでの金融緩和策の継続によって物価目標2%上昇に近付くとの方針を示しました。この「 物価目標 = インフレ 」により私たちの生活にどのような影響をもたらすのでしょうか。インフレとは何かを理解し、どのように対応するかを考えていきましょう。


インフレとはなにか?

インフレとは「 インフレーション 」の略で、モノの値段(物価)が上がって、お金の価値が下がることをいいます。


例えば1個100円だったリンゴが、インフレによって1個200円になったとします。1,000円でリンゴは10個買えたのに、インフレによって5個しか買えなくなってしまいます。同じリンゴを手に入れるために以前の2倍のお金が必要になったわけですから、言い換えると、インフレによってお金の価値が2分の1になってしまったということになります。


インフレが進むと、普段と変わらない生活を送っていたとしても、これまで以上に支出が増えてしまうのです。



またインフレは外国為替にも関係してきます。


日本でインフレが進行すると、「 円というお金の価値が下がる 」ことから、円を売る動きが活発になり、円安になる可能性があります。円安になると、日本製品を海外に輸出しやすくなったり、外貨建ての投資をしている場合などは、円に換算した場合に資産が増えるなどのメリットがあります。一方で、海外製品を日本に輸入する際には商品価格などが上がってしまうなどのデメリットがあります。


このように、インフレと私たちの生活には密接な関係があるのです。



政府と日銀のインフレ目標は2%

なぜ日銀と政府は2%のインフレ目標を掲げているのでしょうか。

日本は中国、アメリカ、ドイツに次ぐ世界第4位の貿易立国です。

先述のとおり、インフレになると円安になり、輸出産業が好調になる、すなわち日本企業の収益は増えるという事になります。企業が潤うならば、社員の給料が上がり、積極的にモノを買う流れが出来てくるので商品がさらに売れるという好循環が起こります。

ですから政府と日銀は2013年から物価目標2%を掲げて経済の立て直しを図ろうとしているのです。



ところがインフレには良いインフレと悪いインフレがあります。

上記は良いインフレの流れですが、悪いインフレは原材料価格の上昇などによって商品の価格が上昇してしまい、利益が伸びない、もちろん給料も上がらない、給料が上がらない中で商品価格が上がれば、ますます商品は売れないという悪い循環が起こります。


昨今のウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染拡大などの影響により、現在は悪いインフレが起こっているとみてよいでしょう。


物価上昇が生活にもたらす影響

物価目標2%というと、そこまで大きな影響はないように感じます。確かに100円のリンゴが102円になったとしても、すぐさま生活が困窮するような事はないと思いますが、継続的に2%上昇していくわけですから長期的にみると大きな影響をもたらすようになります。


これは100万円で購入できたはずの自動車が、1年後には102万円になり、さらに翌年には102万円だった自動車は104万円に、というように上昇を続けていき、10年後には約122万円出さないと買えないという事になります。

せっかく自動車購入に向けて100万円貯蓄しても購入できなくなってしまうわけです。


1990年頃であれば金融機関にお金を預けていても高い金利で収入を得られたのでインフレに容易に対抗出来ましたが、近年の低金利水準ではお金を預けているだけでは資産は目減りしてしまうということをのです。


インフレを乗り切るための資産運用

対応策の1つとして挙げられるのが、外貨による資産運用です。 外貨であれば、例えば、1$=100円の為替レートの際に100万円分保有しておけば、1$=150円の円安になると150万円となり、資産価格は増加したことになります。

世界中の資産に分散投資をしておけば、間接的にさまざまな通貨を持つことができますので、各国や地域で起こるさまざまなインフレや経済危機への対応策にもなりえます。



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